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2007年6月28日
エヌ・ティ・ティ・ブロードバンドプラットフォーム株式会社

「つくばエクスプレスにおける列車内高速インターネットアクセスシステムの実用化」
第18回電波功績賞総務大臣賞の受賞について

 エヌ・ティ・ティ・ブロードバンドプラットフォーム株式会社(以下 NTTBP、本社:東京都中央区、代表取締役社長:小林忠男)は、「つくばエクスプレス」利用者の利便性向上及び沿線地域の活性化のために、2005年8月24日のつくばエクスプレス開業時より沿線全駅及び秋葉原駅〜つくば駅間を運行する全編成車両においてシームレスな高速インターネットアクセスシステムの環境整備を行って参りましたが、この度「つくばエクスプレスにおける列車内高速インターネットアクセスシステム」(以下 本システム)の実用化に対し、平成19年6月27日社団法人電波産業会第18回電波功績賞総務大臣賞を受賞いたしました。

 無線アクセスシステムにおいて2.4GHz帯及び25GHz帯の無線伝送技術、高速ハンドオーバ技術等を効果的に組み合わせることにより、高速で走行する列車内においてシームレスな高速インターネットアクセスシステムの実用化を行い、電波の有効利用に大きく貢献したことが評価され、この度の受賞となりました。
 なお、電波功績賞総務大臣賞は、首都圏新都市鉄道株式会社、インテル株式会社、日本電信電話株式会社及びNTTBPの4社共同での受賞となります。

 本システムは、高速で走行する列車内において公衆無線LANサービスを提供可能にした国内初の実用化システムであり、無線LANをベースに、システム全体を無線で構築した世界的にも画期的なシステムです。今回のシステムに用いた各種技術を適用することにより、移動する列車内でのブロードバンドサービスの普及・拡大が大いに見込まれます。

 なお、現在、本システムは、NTTドコモの「Mzone」「mopera U(Uスタンダードプラン+U「公衆無線LAN」コース)」及びNTT東日本の「フレッツ・スポット」サービスに提供されており、列車内でのインターネット接続を多くの方にご利用いただいております。
 今後は、本システムの実用化に際して培った技術やノウハウを基に、無線周波数資源のより効率的かつ効果的な利用方法について検討していくとともに、ワイヤレスブロードバンド環境の更なる発展に貢献するべく、国内外への展開を積極的に進めてまいります。



【システムの概要】

(参考資料: 別紙1別紙2


1.列車内高速インターネットアクセスシステムの概要

 本システムは、(1)列車−地上間の無線回線構築技術、(2)高速ハンドオーバ技術、(3)公衆無線LANアクセスポイント共用化技術、(4)オールワイヤレス化技術、(5)ワイヤレスシステムインテグレーション技術を組み合わせることにより、高速で走行する列車内において公衆無線LANサービスを提供することを実用化したシステムです。
 システム開発に際しては、各種製品群を組み合わせてこれらの技術を実現させるとともに、約1年間の実証実験期間において、システム全体として最大のパフォーマンスが得られるように相互接続性やサービス特性評価を実施しました。
 さらに、つくばエクスプレス列車内や鉄道線路・施設内における各種制約条件下でシステムを実現するため、上記技術に加えて、(ア)列車内に設置する設備の小型化、(イ)交流/直流切り替え区間で発生する停電への対応、(ウ)低コスト化、(エ)工事の簡易化、限られた工期でのシステム構築も考慮しています。


2.技術のポイント

2.1 列車-地上間の無線回線構築技術

 本システムでは、お客様の端末は一旦列車内(各車両)に設置している無線LANアクセスポイントに接続された後、列車〜地上間を接続する無線LANシステムを経由してインターネットに接続する形態となっています。ここで、お客様の端末と列車内の無線LAN基地局とはお互いに静止した関係にありますが、列車と地上を結ぶ無線LANシステムは、高速に移動する環境に置かれるため、この部分の接続性、品質の確保が重要な課題となってきます。
 そこで、全長約60km、20駅の鉄道線路・施設内において、以下の「無線回線構築技術」により高速且つ安定した無線回線の確保を実現しています。

列車が移動中でも安定した高速回線を確保するため、各駅には高利得アンテナを設置
回線品質を向上させるため、先頭、最後尾車両にそれぞれ2個のアンテナを設置し、スペースダイバーシチの効果を利用
鉄道線路・施設の地理的環境条件(カーブ、高低差、駅間の距離、トンネル、鉄橋など)に対応するため、線路沿いに中継局を設置
走行中の列車が地上局との接続をシームレスに切り替えられるようにするため駅設置アンテナ及び中継局は全区間で同一周波数を利用
地上局間の電波干渉を最小にするため、中継局の位置、アンテナ種別、指向性アンテナの方向、送信出力を最適化

2.2 高速ハンドオーバ技術

 高速走行する列車内で、安定的に公衆無線LANサービスを提供するためには、走行している「列車」と「地上」間に高速且つ安定した回線を確保するとともに、全長約60kmにわたってセッションを維持する必要があります。このため、列車の先頭車両及び最後尾車両の両方にアンテナを設置し、前後のアンテナのいずれかが必ず地上と接続状態になるように設計しています。また列車と地上を結ぶ無線LANの到達する距離は限られていますので、沿線全体をカバーするために多くの無線基地局を設置していますが、その中を、高速で走行(最高速度130km/h)する列車であっても無線基地局を跨ったハンドオーバを可能にするため、「MobileIP技術」を組み合わせることにより、高速走行時のIPコネクション維持を可能にし、無線エリアを跨ったハンドオーバ時にも中断のないシームレスな通信を可能にしています。


2.3 公衆無線LANアクセスポイント共用化技術

 複数の公衆無線LAN事業者が列車内でのサービス提供を可能にし、その際、お客様が他の公衆無線LANエリアと同一の設定で使えるようにするため、マルチVLAN技術、マルチIP技術、マルチSSID技術により、1つのアクセスポイントを仮想的に複数のアクセスポイントとして利用可能とする「仮想アクセスポイント技術」と、ルータなどにより複数のL2ネットワークに分割された場合でも、公衆無線LAN事業者から見て、列車内の無線LAN基地局が自社の基地局と見えるよう、エンド−エンドに同一ネットワーク(L2ネットワーク)を構成可能とする「L2トンネル技術」を効果的に組み合わせることによりシステムを実現しています。


2.4 オールワイヤレス化技術

 さらにシステムの実現にあたっては、設備構築の迅速化を図る目的もさることながら、周波数の有効利用を図る観点から広く一般利用が認められた2.4GHz帯や25GHz帯の無線局免許が不要な無線システムを、(a)ユーザ回線、(b)列車-地上回線、(c)列車内基幹回線、(d)地上局-地上中継局間の足回り回線 の各回線区間に採用することとした上で、周波数の特徴を生かした「オールワイヤレスシステム」を実現しています。


2.5 ワイヤレスシステムインテグレーション技術

 2.1.〜2.4.の各種技術の適用の他、「マルチSSID」、「マルチIP」、「マルチVLAN」、「L2トンネル」、「MobileIP」を効果的に組み合わせた「プロトコルインテグレーション技術」と、ユーザ回線、列車内基幹回線、列車−地上間回線、地上局−地上中継局間足回り回線に選定した複数の異なる無線装置等を最適に組み合わせる「メディアインテグレーション技術」により本システムを実用化しています。


* 「Mzone」「moperaU」はNTTドコモの登録商標です。
* 「フレッツ・スポット」はNTT東日本の登録商標です。



本件に関するお問い合わせ先
◆NTTBP ビジネス企画部 井上・山本 (電話)03-6810-2627


 
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