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ロボコン会場のフリーWi-Fiはこれだ! ~人間だけでなくロボットにとってもクリーンな電波環境を

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皆さんは、ロボコンをご存知でしょうか。ロボットコンテストの略称で、テーマに沿ってロボットを制作し、そのアイデアと技術を競う大会です。

小学生が参加対象のものなどさまざまな大会がありますが、なかでも、高専日本一を決める「高専ロボコン(アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト)」やアジア太平洋地域の大学No.1を決める「ABUロボコン」の代表選考会も兼ねている「学生ロボコン」はテレビ放映などもあるので、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?

NTTBPでは2017年に、日本での開催となったABUロボコンにはじまり、以降6大会にわたって高専ロボコン・学生ロボコン会場内の大会公式フリーWi-Fiの提供をお手伝いしてきました。しかし、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、2020年の学生ロボコンは開催中止、高専ロボコンはオンライン開催に。今年こそはと思っていた2021年の学生ロボコンも、第5波の影響により無観客開催となってしまいました。
そんな数々の苦難を乗り越え、ついに2021年11月28日に2大会ぶりに有観客開催を予定している高専ロボコン2021。今回はロボコンのフリーWi-Fiのお手伝いを続けてきたNTTBPのこれまでの取り組みやコロナ禍での苦悩、そして今大会にかける思いを、これまでのすべての大会のフリーWi-Fiを担当してきたYさんに聞いてきました。

  1. ロボコンWi-Fiってなに?
  2. ロボコンならではの工夫とは
  3. 新型コロナウィルスの影響
  4. これからのロボコンとフリーWi-Fiについて
  5. 2021年11月28日はすごロボの祭典!

ロボコンWi-Fiとは?

Q.今日はよろしくお願いします! さっそくですが、ロボコンWi-Fiってなんですか?

――ロボコンの大会公式フリーWi-Fiのサービスです。参加者、観客問わずどなたでもご利用いただくことができます。
2017年のABUロボコンの際に、会場内に大会公式のフリーWi-Fiを提供したいということで、NHKエンタープライズ(以下、NEP)さんよりご相談をいただきました。ABUロボコンではトライアルサービス的に実施したのですが反響も良かったことから、同年が第30回の記念大会だった高専ロボコン(有明コロシアム開催)から、本格的に大会公式フリーWi-Fiとして提供を開始することになりました。

Q.そもそもなぜ会場にフリーWi-Fiを導入することになったんですか?

――NHKは言わずもがなですが、テレビ放映を中心に情報をお届けされています。ですがそれだけではなくSNSやライブストリーミングなど新たな分野とのメディアミックスをめざされており、インターネットを活用して大会をさらに盛り上げるためにも、会場でフリーWi-Fiを提供したいと考えていらっしゃいました。
あわせて、会場内の電波をクリーンにしたいというご要望もありました。

Q.電波をクリーンにする、というのはどういうことなんでしょうか。

――実は海外ではロボコンに限らず、大型イベントではモバイルWi-Fiルーターの持ち込みが規制されていることがよくあります。それは、大人数がそれぞれ持ち込んだモバイルWi-Fiルーターの電波が干渉しあって電波環境が悪化し、かえってつながりにくくなってしまうからなんですよ。

Q.それは大変ですね! でもポケットWi-Fiを普段使っている人は、禁止されると困りますよね。

――そうなんです。だからこそ、フリーWi-Fiが必要なんです。会場内にフリーWi-Fiがあれば、ポケットWi-Fiの電源は安心してオフにできますよね。会場内の電波が公式に提供されたものだけになれば、電波干渉は起こらなくなり、みんなが使いやすくなりますね。

Q.なるほど。ロボットが使用する電波はWi-Fiの電波と干渉するんでしょうか。

――そうですね、大会に出場するロボットが使用できる無線モジュールは、電波法に準拠していて技適マークがあるものなので、Wi-Fiなどの電波でも干渉は起こりえます。Wi-Fiの周波数帯の中でも特に2.4GHz帯はポケットWi-Fiだけでなく電子レンジやBluetoothなどにも使用されている電波なので、意図しない干渉が起こる恐れは大いにあります。持ち込まれたモバイルWi-Fiルーターの電波との干渉かどうかは断定できないのですが、過去の大会でも、前日のリハーサルまでは正常に動いていたのに本番になるとマシントラブルが......といったことがありました。
 
だからこそ、大勢の観客がいらっしゃっている中であっても、少しでも会場の電波環境をキレイにして、ロボットの動作を邪魔したくないんです。

Q.モバイルWi-Fiルーターの持ち込みは減りましたか?

――完全に禁止するわけにもいかないので、はじめはなかなか減らなかったですね。ですが、NEPさんと協力して、公式パンフレットへの掲載やロボコン公式Twitterでの情報発信、会場内でのアナウンスなど地道なPRを繰り返すことで、だいぶ浸透してきたように思います。

ロボコンならではの工夫とは?

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高専ロボコン2018リハーサルの様子

Q.ロボコンWi-Fiのサービス提供にあたって苦労した点はありますか?

――本来であれば月単位で構築を実施するような大型のイベント会場なのですが、1日で仕上げなければなりません。そして撤去も同様のスピードで。しかも絶対にロボット走行の邪魔になってはいけないのでとにかく配線のひとつも気を抜けません。
さらに、配線のように物理的に見えるものだけでなく、目に見えない電波にも細心の注意を払っています。 会場となる場所で、すでに何かしらのWi-Fi提供がある場合は、主催者からの要請に基づき大会期間中は電波の送波を停止いただくといった調整もしています。とにかくロボットファーストってことです。

Q.他にも工夫されている点などはありますでしょうか?

――このロボコンWi-Fi、さすがにテクノロジーに明るい学生たちの大会だけあって、提供当初から他のイベントとは比べものにならないくらいの利用トラフィックで想定外な事象続きだったんです。参加校の応援ブースでは、数校でライブ配信などがあることも想定していたのですが、とある参加校がまさかの複数のライブ配信をはじめてしまったときは少し驚きました(笑)。
こうしたことにも対応できるようNW設計については、大会の都度反省点を洗い出し、通信帯域やネットワーク設備の強化、さらにロードバランサーの導入など、できる限りのボトルネックを無くすための工夫を重ねています。

Q.Wi-Fi以外にもなにかポイントはありますか?

――当社ではフリーWi-Fiの提供だけでなく、大会を盛り上げるさまざまなオンラインサービスを実施しています。
2018年の学生ロボコンでは「ベストシャトルコック賞」という観客参加型の投票サービスを、2019年の高専ロボコンではロボコンファンのつぶやきをリアルタイムに表示するデジタル掲示板を提供しました。さらに放送やライブストリーミングでは観ることのできない競技エリアやピットなどを、好きな角度で視聴ができる360度カメラを設置して会場限定サービスとして楽しんでいただきました。今年は、エンターテインメント性というよりは、安全な大会運営のお手伝いができるようなソリューションを予定しています。

新型コロナウィルスの影響

Q.2020年からの新型コロナウィルスの影響について教えてください。

――2020年の学生ロボコンは開催中止、高専ロボコンはオンライン開催、2021年の学生ロボコンも無観客開催となりましたので会場へのフリーWi-Fi設置は行いませんでした。一緒にお仕事ができず、とにかく残念でならなかったです。

ですが、一番辛かったのは大会に参加される予定だった学生の皆さんだったと思います。高校球児たちがめざすものが甲子園だとすれば、高専ロボコン勢がめざすのは両国国技館ですし、学生ロボコンも日本代表をかけて全力で競い合う極めて重要な大会なんです。また、刻々と変化する状況にあわせて運営方針や競技ルールなどを適宜変更しなければならなかったNEPさんの苦労は正直想像ができないです。だからこそ、今大会にかける、気持ちは当社としても並々ならぬものがあります。

これからのロボコンとフリーWi-Fiについて

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全国大会に出場したロボットの一例

Q.これからのロボコンってどんなところが見どころになるんでしょう?

――2017年からご一緒していますが、本当にロボットの進化が止まらないんです!リモコンケーブルでつないで操作していたものは無線が主流になり、ここ数年では、自動運転型がスタンダードです。視聴者の一人として毎回毎回本当にワクワクしています。おそらく今後ロボットは、完全な自動運転や、予測(AI)などの技術も進んでいくのかもしれません。またモーターなどを使わず空気圧だけで動くといったような環境にも配慮された技術も進んでいます。
"より社会で活用できるロボット技術を生み出す"ということがロボコンの神髄だと伺っていますので、とにかくロボットの進化に期待したいですね。

Q.では、フリーWi-Fiはどうですか?

――当社も負けていられませんからね(笑)。放送とフリーWi-Fiどちらも楽しんでいただけるサービスをNEPさんと一緒に模索していきたいと思っています。
無線をつかったイベント演出はいまや一般的です。だからこそ、イベント会場でのクリーンな電波環境の維持は重要になってきます。Wi-Fi-6への対応やローカル5Gなどあらゆる可能性から、最適なものを提供していきたいですね。NTTBPではこのロボコンをはじめあらゆる無線環境構築の実績やノウハウがありますので、設計から運営までお任せいただければと思います。

2021年11月28日はすごロボの祭典!

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きたる2021年11月28日(日)は、2大会ぶりに有観客開催が予定されている高専ロボコン。今回の大会のテーマは「超絶機巧(すごロボ)」。昨年のオンライン大会に続き、2校の対戦形式ではなく、それぞれの学校が趣向を凝らしたスゴ技で審査得点を競い合います。きっと我々が想像もしない独創的な技術や面白い奇想天外なアイデアが飛び交うことと思います。

大会当日の様子は、「ロボコン公式YouTubeチャンネル」と「ニコニコ生放送」にてライブ配信でご覧いただけます。 さらに、12月25日(土)の午後3時5分からNHK総合テレビにて放送が予定されていますのでどうぞお楽しみに。

関連リンク:高専ロボコン
https://official-robocon.com/kosen/

最高に面白い、高専ロボコン。これからの日本のロボット技術を担う若者たちの奮闘に期待したいですね!

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