Wi-Fiコラム Wi-Fiをもっと楽しくするWEBマガジン

SIMロックが原則禁止に。そもそもSIMロックって? 自分で入れ替えるときの注意点は?

44_01.jpg

2021年8月に総務省より発表された「SIMロック」の原則禁止について、皆さんはご存じでしょうか。ついに10月1日より、このガイドラインがスタートしました。

スマホやタブレットなどで、インターネットや通話をするために必要なSIMカード。今までは、購入したキャリアと別のキャリアのSIMカードを挿しても、ロック解除の手続きをしなければ利用できない端末がほとんどでした。

今後は、SIMを契約したキャリアとスマホを購入したキャリアが別でも、原則として手続きなしで利用できるようになります。

ということは、自分のスマホに挿してあるSIMカードが、これからは他社のスマホでも使えるようになったり、スマホを買い替えずにSIMだけを変えて別のキャリアに移ったりできるってこと? これをうまく利用して、機種代金や通信料を安く抑えられないかな。

と、サツキさんのように思う方も少なくないと思います。そこで今回は、SIMロックが禁止されることによるメリットや、SIMカードを交換するときの注意点などをご紹介します。

SIMロックとは?

携帯端末を購入したキャリアとは別のキャリアのSIMカードを挿入すると、インターネットや通話の利用ができないようロックされことを「SIMロック」と言います。

大手キャリアを中心に、機種代金の未払いや端末の詐欺・転売などの防止を理由に、このシステムが導入されていました。

44_02.jpg

一方「SIMフリー」と呼ばれる、どの携帯キャリアのSIMでも利用できる端末もすでに家電量販店などで多く販売されています。Appleストアから直接購入するiPhoneなども一例ですね。また、格安SIMなどを販売するMVNO事業者の端末にはSIMロックはかかっておらず、大手キャリアでも一部SIMロックのない端末は、すでに発売されています。

なぜSIMロックは原則禁止になったの? 今後どう変わる?

以前から、一定の条件を満たしていれば、SIMロックを解除することは可能でした。ただし、各キャリアで手続きをして手数料を支払う必要があり、ユーザーの自由なキャリア選択の障害にもなっていました。

そこで、総務省はユーザーの利便性向上と各キャリア間の競争の健全化を図るために、SIMロックを原則的に禁止することを発表しました

2021年10月1日以降に購入した端末は、SIMロックのない状態で入手することができます。また、2021年9月以前に購入した端末でも、無料でSIMロック解除の手続きをすることができるようになります。

大手キャリアの端末でも「SIMフリー」端末のように、SIMカードの入れ替えがしやすくなり、より自由に端末やモバイル通信契約を選択できるようになりますね。

そのため、ご自分で安い端末と安いSIMを別々に購入して使う......といったことも可能になりますし、利用している端末はそのままで安いプランのキャリアに乗り換える、ということも、これまで以上にしやすくなります。

ただし、あくまでも「原則」ですので、分割払いで端末を購入する場合などには変わらずSIMロックがかかる場合もありますが、この場合もキャリアがロックできる期間は定められています。 端末購入後から100日が経過していたり、支払いが完了しているなどの条件を満たせば、解除手続きは不要となります。

うまく利用すれば、高額になりがちな機種代金や通信料などを抑えられるかもしれませんね。

自分でSIMカードを入れ替える場合の注意点

ですが、SIMロックがないからといって、SIMカードを自分で交換するのは簡単ではないようです。事前にしっかりと調査をしておかないと、通話やインターネットが一切使えなくなる事態にもなりかねません。特に注意が必要な点をご紹介します。

  • 端末が他キャリアの周波数帯に対応していない場合がある
    国内の主要キャリアに割り当てられている通信方式や周波数帯はそれぞれ異なります。iPhoneはいずれのキャリアの周波数帯にも概ね対応していますが、Android端末では元のキャリアの周波数帯のみに対応している機種がほとんどです。そのため、SIMを入れ替えても端末に対応した周波数帯と契約している周波数帯があわずに、利用できない可能性があります。

    各通信事業者が使用している周波数帯は、総務省のサイトから確認することができます。

    000692919-2.jpg
    引用:総務省|テレコム競争政策ポータルサイト|各携帯電話事業者の通信方式と周波数帯について
    https://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/eidsystem/competition12_02.html

  • 端末の設定は全て自分で
    端末の購入元とSIMの契約先がの場合、携帯キャリアのショップの窓口などでサポートを受けることができません。通話や通信のための設定などは、全てご自身で行う必要があります設定に誤りがあったり、不具合が起こったりしてもご自身で対応するほかありません。

  • エリアによっては電波が弱くなってしまう場合も
    基地局の場所や設置数はキャリアによってそれぞれ異なるため、電波状況は同じではありません。そのため、他社のSIMカードを挿入したら、今まで問題なく利用できていた場所で急に利用できなくなってしまう......なんてことも。大まかな対応エリアは各キャリアのサイトで確認できます。しかし、実際に利用する場所で電波が良好かどうかはわかりません。ネットで口コミを確認したり、乗り換え先のキャリアを利用している人が身近にいれば話を聞いてみることをおすすめします。

  • 10月以降でもSIMロックがかかっている可能性
    2021年10月以降に購入した端末でも分割購入など、プランや契約条件によってはSIMロックがかかっている可能性があります。また、9月以前に購入した端末でSIMロックがかかっているものについては、そのままロックされていますが、今後は無料で解除できるようになります。

  • ネットワーク利用制限がかけられていないか
    ネットオークションなどで中古の端末を購入する場合には「ネットワーク利用制限」がかかっていないか、注意が必要です。キャリアからネットワーク利用制限をかけられている端末は、 SIMロックの有無に関わらず一切の通話・通信ができなくなります。料金が支払われずに転売された端末や盗品、不正な契約で入手された端末などが対象になります。
    制限をされているかは、各キャリアの専用ページで確認することができます。また、キャリアによっては独自に設けられたルールで、SIMロックが解除されても利用できない可能性もあるので事前の確認が必要です。
    docomo(ネットワーク利用制限携帯電話機確認サイト)
    http://nw-restriction.nttdocomo.co.jp/top.php
    au(ネットワーク利用制限携帯電話機について | スマートフォン・携帯電話をご利用の方 | au)
    https://www.au.com/support/service/mobile/network-riyoseigen/
    ソフトバンク(中古携帯電話を利用する際の注意事項を確認する / ネットワーク利用制限 | スマートフォン・携帯電話 | ソフトバンク)
    https://www.softbank.jp/mobile/support/3g/restriction/

  • キャリアのサービスなどが利用できなくなる
    他社のSIMに差し替えた場合、キャリアメールなどのキャリア独自のサービスや、有料コンテンツを使った割引などの利用が難しくなります。「SIMの差し替え=キャリアの乗り換え」になりますので、乗り換え後も利用できるのかを確認することが大切です。

通信料の節約にはフリーWi-Fiを活用してみては?

いかがでしたか。

とにかく安さにこだわりたい方や端末の知識や設定に自信のある方は、ご自分で端末やSIMを準備されても良いのではないでしょうか。ですが、SIMの入れ替えはなかなかハードルが高いのも事実。まずはフリーWi-Fiを利用して、通信料を節約することからはじめてはいかがでしょうか。

近場のWi-Fiスポットなどは、誰でも無料で使える便利なWi-Fiアプリ「Japan Wi-Fi auto-connect」で確認することができますよ。

SIMロックの原則禁止で、スマホ代を安くできるのは魅力的!
でも、正直端末の設定とか全然わからないし......私にはちょっとハードル高いかな。自分にできる範囲の節約で、まずは積極的にフリーWi-Fiをフル活用していこう

コラムトップへ戻る

RELATED POSTS関連記事

PAGE TOP