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設置したフリーWi-Fiの利用状況、把握していますか? ~データサイエンティストに聞くWi-Fiログの利活用とビックデータ分析とは

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突然ですが、フリーWi-Fiを設置したオーナーの皆さま、利用データはしっかり活用できているでしょうか? Wi-Fiの利用データには単なる利用状況の把握にとどまらず、その他の事業やサービス改善の可能性も秘めています。

NTTBPには、その「Wi-Fiの利用データ」による、レポート作成やビッグデータ分析に携わっているデータサイエンティスト集団がいます。それが「データサイエンスチーム」です。
今回は、彼らに「Wi-Fiの利用データ」の分析や活用についてインタビューしてきました!

Wi-Fiの利用データから見えるのは「世の中」。コロナ禍の日本はWi-Fiデータではこう見える

Q.データサイエンティストの皆さんにインタビューということで、楽しみにしてきました! 「ビッグデータを分析している」と聞いてきたんですが、どんな情報を扱っているのか教えてください。

―― 主に「Wi-Fiの利用ログ」です。フリーWi-Fiが利用された「利用場所」「利用者数」「端末の設定言語」「時間帯」などを可視化したり、分析したりしています。

Q.分析すると、どんなことがわかるんでしょうか?

―― 一言で言うと「世の中」のことがわかります!

Q.え?「世の中」 ですか! そんな大きなものが!

―― 昨年度はコロナ禍で大きく人の流れが変わりましたね。下の図は弊社のWi-Fiの接続数です。世の中の動きにあわせてWi-Fiの利用状況も変動しているのがわかるでしょうか。

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引用:新型コロナウイルス感染症の流行に伴う支援措置等について
https://www.ntt-bp.net/articles/2020/04/post-47.html


Q.人流の変化がとても顕著に表れているんですね。

―― こちらは「同じ日に県をまたぐWi-Fiの利用があったか」を緊急事態宣言前後で比較したものです。

30_03.jpg引用:(第2報)新型コロナウイルス感染症の流行に伴う支援措置等について
https://www.ntt-bp.net/articles/2020/04/2-2.html

Q.おお! こう見ると県外移動の自粛も一目瞭然なんですね。

―― そうですね。でも一方で、みなさんの身近な「スポット」に絞ってみると違った景色が見えてきます。
例えば「駅」「公園」といったスポットはいずれも、昨年春の緊急事態宣言以降大きく利用が減少しました。
なかなか利用者が戻らない「駅」と比較すると、「公園」はかなり早いタイミングで利用者数が回復しています。それどころか、コロナ以前に比べ大幅に増えているんです。混雑する曜日や時間帯の傾向が変わっている公園もありました。

Q. 確かに、私も近所の公園には頻繁にお世話になりました。

―― このような状況下では旅行も自粛しなくてはならず、外出先が近所の公園などに集中したのでしょうね。
言われてみると当たり前のように感じるかも知れませんが、"もわ~ん(漠然)"と「きっと、そうだろうな」と思っていた事柄がちゃんと可視化されて、読み解けるのはデータ分析の醍醐味かもしれません。

分析するのはあくまで「傾向」。個人情報は含まないのでご安心を

Q.他にもどんな「世の中」が分かるのか、知りたいです!

―― Wi-Fiの利用ログから読みとれる大きなものには「滞在」と「動線」があります。「滞在」はこの街の「地元の人」なのか「観光客」なのか、とイメージするとわかりやすいかと思います。「動線」はどこからどこへ動いたか、ということですが、人の行動の「志向」が分かっていきます。
例えば「〇〇駅は英語と中国語の利用が多い」「中国語の人は駅からアウトレットモールに直行する傾向がある」ということがわかれば、アウトレットモール行きのバス停に中国語の看板を設置する、というようにサービス品質や利便性向上の対策がみえてくるんです。

Q.そんなこともわかっちゃうんですね。ユーザーとしては怖いような気もしますが。

―― 私たちが見ているのはあくまで「傾向」で、n=1のデータではないので、個人の行動ではありません。それに分析データには個人を特定する情報は含まれていませんから、そこは安心してくださいね。

データは口ほどにものを言う。見た目で判断できない情報からサービス改善につなげる

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Q.実際にどんな場面で活躍しているんでしょうか?

―― 外国人のお客さまの国籍ってお顔だけだと、なかなか判断ってできませんよね。パンフレットを置くにも何語を用意したらよいのか分からない。
有名な観光地にあるお城の話なのですが、Wi-Fiログを元に利用の多い言語を割り出し、実際に配布するパンフレットの対応言語を増やしました。

Q.観光産業では役に立つシーンが多くありそうですね! 観光以外ではどうでしょうか?

―― 全国チェーンのとある商業施設では、店舗毎に利用言語を集計し、外国語比率の多かった店舗では、外国人向けの商品を増やすといった工夫をしているそうです。
「店舗毎」に分けて集計できるのもWi-Fiの情報の利点ですね。

Q.NTTBPならでは! とか、ここがイチオシというポイントはありますか?

―― 動線がわかるビッグデータは、モバイル通信やアプリの利用ログ、カーナビの情報など世の中にいろいろありますが、いずれも位置情報のメッシュつまり「大まかな範囲」で分析を行います。一方、Wi-Fiの利用ログはメッシュはもちろんですが「拠点毎」の分析ができるのが特徴です。メッシュよりもピンポイントな分析を行うことができます。

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ここにフリーWi-Fi利用者の言語の情報などを掛け合わせていくことで、さまざまな分析や推測できます。
Wi-Fiログは、実は持っている会社が少ないんですよ。

ログはあって当たり前? データサイエンティストたちの見えざる苦労とは

Q.実際にどのくらいのデータを処理されているんでしょうか?

―― 今は1日に25GBほどのログデータを管理しています。フリーWi-Fiの利用数だとコロナ禍でだいぶ減少していますが、100万回、インターネットサービスを利用せずにWi-Fiに接続した数も含めると1000万回ほどになるでしょうか。

Q.ビッグデータ分析って、データ収集の仕組みさえ作ってしまえば、あとはAIが自動でやってくれる、みたいなイメージがあるんですが。

―― いえいえ。ログって「あるのが当たり前」で「決して欠けてはいけないもの」なんです。たとえ1時間分でもログが欠落してしまうと正しい分析結果が得らず、データとしての価値を失ってしまいます。だからこそ日々のチェックが非常に重要です。時には胃の痛くなるようなこともありますね(苦笑)。

Q. そうだったんですね。それは大変失礼しました!

―― いえいえ、ネットワークは生き物ですからね。 ネットワークもそうですが、スマホなどフリーWi-Fiをご利用になる端末の規格も日々変わっていくので、そこも把握し、対応しつつ、データの質を保ち続けています。

「ファイリングして終わり」にさせない!パワーアップした「エリアオーナーレポート」

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Q.NTTBPでは「エリアオーナーレポート」というレポートを標準サービスとして提供していますよね。

―― はい。「エリアオーナーレポート」では、フリーWi-Fiの利用状況を日別や時間帯別、言語別などさまざまな角度からご確認いただけます。
従来、エクセルなどのファイル形式で毎月お送りしていたのですが、2021年5月からクラウド版の提供を開始し、すべてのオーナー様にWEBでご確認いただけるようになりました!

Q.ファイル形式のレポートとの違いはどんな点でしょうか?

―― 今までのレポートはよくも悪くも、印刷しやすくきれいにまとまっていたんです。正直、ファイリングして終わりにしていたというオーナー様のお話も伺ったことがあります。でも、それはもったいない!
今まで難しかった、エリアごとのソートが簡単にできるなど、オーナー様自身で操作できる項目が増えています。
見やすく、使いやすくなった、というだけではなく「もっとデータに触ってほしい!活用してほしい!」という私たちからの想いの現れでもあるんですよ。

Q.熱い想いが込められているんですね!

―― はい。ログは日々蓄積していきますし、Wi-Fiログデータにはそれにとどまらないさまざまな可能性があります。オーナー様ご自身であれこれ操作をしていただくことで、さまざまな施策やイベントなどのヒントとしてこのデータが一助になればと思っています。

めざすのは「近未来予測」ができるデータ分析

Q.では、皆さんにとってのエリアオーナーレポートとは何でしょうか?

―― そうですねー、例えるなら「かっぱえびせん」です。
「かっぱえびせん」と例えたのは、50年以上のロングセラーであるあのお菓子のように、エリアオーナーレポートも長く愛されたいからです。そして、先ほど「ログは1日にして成らず」みたいな話をしてしまったんですけど、一度レポートを出したら「やめられない止まらない」んです。いや「やめれない止められない」なのかも知れませんね。

Q.なるほど(笑)。最後に、ひとことお願いします。

―― はい。エリアオーナーレポートはまだまだ発展途上です。
また、今は過去の「こうだったんだ」しかわかりませんが、いずれは近未来の予測ができるようにもなります! データをどう活用し、Wi-Fiオーナー様のお役に立てるようにするかが我々のミッションです。

日々進化していくビッグデータ分析の今後に期待

いかがでしたか?
今回のインタビューを通じて、日々ログを欠かすことなく収集し続けることの難しさ、大変さを知りました。
また、なかなか陽の目を浴びるポジションではない縁の下の力持ち的な部署ですが、ムードメーカーのKさんを中心に、笑顔で、楽しく、前向きに仕事をされているというのが印象的でした。

今回ご紹介した「エリアオーナーレポート」はNTTBPのフリーWi-Fiをご利用いただいているWi-Fiオーナー様向けのサービスです。

もし、ご興味がありましたら、NTTBPインフォメーションデスクまで、気軽にお問い合わせくださいね。

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