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「つながらない・遅いWi-Fi」のワケ、見つけられますか? ~オフィスのWi-Fi不調に効く切り分け術~

はぁ......

小田さん!? どうしたんですか、まだ始業して5分と経ってませんよ?

だってほら、これ見てよ。

メールがたくさん......しかも、全部Wi-Fiの問い合わせじゃないですか!

                         

情報システム担当の小田さんの朝は、このたくさんのメールへの返信から始まります。
オフィスの機器管理や、障害等のトラブル対応が、小田さんの仕事です。

けれど今朝は、後輩に聞こえるほどの大きなため息をついています。一体何があったのでしょう。

1.「Wi-Fiがつながらない」には何種類ものワケがある

こんな量、処理しきれませんね......

いや、たしかに量もすごいんだけど、本当に困っているのはそこじゃなくて。例えば......

はぁ、手がかりがまるでありませんね。もうちょっと詳しく教えてくれれば、原因が絞れるかもしれないですけど......

                         

それでも何とかするしかありません。
さっそく小田さんは現場に赴きます。まずは問い合わせの一件目。自身のスマホやパソコンで接続をチェックしました。

あれ、ちゃんとつながるなぁ。

                         

さらに、Wi-Fi設備の保守をお願いしている会社に問い合わせてみましたが、「監視側からは、問題が見受けられない」との回答です。

うーん、困ったぞ。

                         

手がかりが見つけられないこの状況。みなさんなら、まずは何から調べますか?

2.切り分けの第一歩! 原因にグッと近づく3つのツボ

                         

ひとくちに「つながらない」と言っても、その理由は実にさまざまです。全部を試していては時間がいくらあっても足りません。
実は、つながらないワケは、概ね3つの種類に分けられるのです。

今回の件で言えば、ネットワークに障害が出ていないことや、小田さん自身の端末では接続できることがわかっています。手がかりは少ないですが......

この付近では、使える人と、使えない人がいる。ということは「ネットワーク」「電波」には問題がないように思える。「利用者」の環境設定や、利用方法に何か原因があるのかもしれない。

                         

このように、三つのツボが頭に入っていれば、おおよその見当をつけやすくなります。

3.不調のきっかけは、同じ行動を辿れば見えてくる

                         

小田さんに助けを求める人が、Wi-Fiに詳しいとは限りません。いえ、むしろ詳しくない場合がほとんどでしょう。「いまどんな風に不調なのか」を誰かに伝えることは、難しいことです。機器の呼び名、前提となる知識が充分でなければ、それはもっと困難になります。

まずはありがちな項目からチェックしてみよう。「電源ケーブルが抜けていないか」「ルーターのランプは正常に点灯しているか」「LANケーブルは挿さっているか」......どう?

ふむ......見たところ問題なさそうですね。

良かった。うーん、そうだな......よし、こういう時は、再現テストだ!

                         

切り分けに迷ったら、再現テストを試してみましょう。これは、「利用者の環境に極力近づけて、実際の行動をなぞってみる」というテストです。手順の中で同じ問題が発生すれば、解決はもうすぐそこ。また、仮に「同じことをやったのに、結果が異なった」としても、それは大きな判断材料となってくれるでしょう。

パスワードの自動入力が、間違って保存されていますね。これで治りましたよ!

                         

「利用者」の問題を突き止めて、さっそくひとつ、問い合わせを解決できました!
無数にある原因を切り分けるには、まずおおまかに区切って、基本事項を確認しながら絞り込んでいくのが有効です。

4.一時的な問題なら「ネットワーク」を疑ってみよう

えっと、次も「つながらない」の相談ね。

小田さん実はその問い合わせですが、どうも勝手に復旧したようです。

ええっ!? 良かった......でも原因を調べないと、また同じことが起こるかもしれないね。詳しく話を聞いておこう。

                         

Wi-Fiは再び使えるようになったものの、原因不明のまま放ってはおけません。二人は今後のため、ヒアリングをすることにしました。

うーん、お話を聞いたけれどよくわかりませんでしたね。今ヒアリングしたことを並べてみると、

                             
  • SSIDやパスワードはきちんと入力した。
  •                          
  • 接続できなくなってから、再起動を試したが復帰しなかった。
  •                          
  • 別の用事があり、1時間ほど放っておいた。
  •                          
  • その後、ふと使って見たら、なぜか、接続できた。

不通から復旧まで、本当に「何の行動もしてない」ね。認証方法や端末の使い方は間違っていないように思えるから、ありえるとしたら「ネットワーク」の問題か......ん? これはもしかして......これだー!

                         

小田さんは何かに気付いて、スマホで検索を始めました。

ほらこれ!

                         

それはプロバイダのウェブサイトでした。
トップページに大きく緊急メンテナンス情報が記載されています。

プロバイダのメンテナンスで、通信が不安定になっていたんだ。利用者がつながらないと思ったのは、そのせいだね。

復旧した時間と、メンテナンスの終了時刻もぴったり合致しますね。謎は全てとけた!

                         

このように、同じ場所のテストで事象が再現しないときは、時間帯や曜日に着目してみましょう。ISP側のトラブル、回線の混雑など、「ネットワーク」の問題は時間帯を比較することで見えてくる場合もありますよ。

5.電波干渉? チャネル設計? どうしてもわからないときは

最後の問い合わせは難関ですよ。未だに復旧の目途も立っていませんし、加えて申告者側から急いでほしいとの突き上げが止まりません!

ひええ......(頭を抱える)

                         

さすがの小田さんも今回はさっぱり手がかりが掴めません。そこで、一般的に知られているツールを利用して、「インターネット通信の速度」と「Wi-Fiの電波強度」を調べてみることにしました。これらがあれば、専門の機器がなくてもある程度のことは調べることができます。

 

例えば通信速度を測るならGoogleで「インターネット速度テスト」と検索してみてください。ブラウザですぐに測定が開始できます。Google以外でもさまざまなサイトで同様のサービスが提供されています。

引用:Google インターネット速度テスト

電波強度を測るアプリもアプリストアで検索すると複数見つかります。無料で利用できるものもあります。このタイプのアプリはiPhone版よりもAndroid版の方が多く提供されています。

電波強度や通信速度って、無料のアプリでも測定できるんですねぇ。

自分の環境を知るのは大事だよ。っと......電波は出てるけど速度がさっぱりだなぁ。有線のほうが出てるのも気になる。機器の世代からしてIPv6非対応とは考えにくいし、DHCPも適切に割り振られている気がする......

あいぴーぶい......? でぃーえいち......小田さん! 日本語でお願いします!

日本語だよ! けど困った。これはお手上げだ。拾っているSSID自体が多い気もするし、干渉かもしれない......「電波」の問題は簡単には解決できないことが多いからなぁ。

速度が遅いんですよね。ばーんと、ぶっとい電波にしちゃう、とかできないんですかね?

チャネルボンディングってことかな?知らないわりにいいとこつくなぁ。それで解決する例も確かにあるね。けど、Wi-Fi環境のデザインには考慮すべき様々な要素がある。今言ってくれた「チャネル設計」だけじゃない。「電波強度」に、「アクセスポイントの場所と数」や「無線の規格」だってそうだ。もちろん、「ネットワーク設計」もね。加えて、それらの要素すべてのバランスも大切なんだよ。

どれかひとつにこだわってもダメなんですね......

うん、バランスが大事。そういう意味では、まだ問題点が「ネットワーク」の可能性も否定できたわけじゃない。

ええーっ! ふりだしに戻ってません?

そんなことないさ。少しずつだけど前進していると思うよ。さあ、次は......

                        

Wi-Fi環境のデザインは多種多様な要素からなり、バランスの調節も一筋縄では行きません。スパっと解決できると思っていた小田さんの後輩は、さすがに痺れを切らした様子です。

あーもうこれ判りませんよきっと! さくっとリプレースしちゃいましょう! そうしましょう!

そんな予算ないから!

6.安くない設置工事......決めてしまう前にできること

いや大変でしたね。問い合わせひとつひとつに、結構時間がかかるんですねえ。

ほんとうにね。あぁ、僕の代わりに切り分けてくれる妖精さんがいればなぁ。

予算ないですもんね......せめて、調査や診断だけスポットでやってくれるサービスがあればいいんですけど。

いやいや、そんな都合のいいサービスなんてあるわけ......

                         

実はあります。そんなかゆい所に手が届くサービス。
NTTBPが提供しているWi-Fiドックなら、「ひとまず調査だけしてみたい」そんな気軽さで申し込むことができますよ。

                         

関連サービス:Wi-Fiドック
https://www.ntt-bp.net/product/service/wifi-dock.html

お話は聞かせていただきました。いくつかの調査を組み合わせて行うことによって、より詳細に状況が把握できます。「調査のみ」のサービスなので、お値段もこのくらいで......

本当にあった! 都合のいいサービス!

7.調査のみでOK。プロによる診断サービス「Wi-Fiドック」

                         

不調原因の特定ができましたよ!

なるほど!隣のフロアの電波の干渉があるのか。リモートワーク対策もあってオフィスのレイアウトを大きく変えたからなぁ。

                         

電波ヒートマップやチャネル診断......難易度の高い「無線」の調査は私たちにおまかせください!

NTTBPのプロフェッショナルな調査で、課題が整理された小田さん。

なるほどなぁ。うん、手を入れるところが見えて来たぞ!

なんだか嬉しそうですね、小田さん。

そう?

                         

小田さんの多忙な日々はまだまだ続きそうです。けれどその表情は、今までよりちょっとだけ晴れやかに見えました。

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