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ポイント復習!誤解されやすい「災害時のフリーWi-Fi」を正しく知ろう

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この度の震災に際し、被災されたすべての方々に心よりお見舞いを申し上げます。
余談の許さない状況が続いていることと存じますが、皆さまの安全を心よりお祈り申し上げます。
冬場の寒さが厳しい時期、皆さまが安心・安全にお過ごしになれること、そして一日も早い復旧を、切に願っております。

「災害時につかえるWi-Fi」について正しく知っておこう

「00000JAPAN」――テレビやネットでも紹介され、より多くの方に知られるようになりましたね。能登半島地震の際にも、SNSでたくさんの方が「00000JAPAN」に関する情報を拡散されていました。しかし、一方でこれから利用する方が誤解をしてしまうかのような投稿も見受けられました。

この記事では、いざ使うときになって慌てないよう「00000JAPAN」などの災害時のフリーWi-Fiについて改めてお伝えしたいと思います。

基本的な災害時のフリーWi-Fiサービスについての紹介は、こちらの記事にもまとめてあります。あわせてご覧ください。

関連リンク:<保存版>災害時に利用できるフリーWi-Fi関連サービス
https://www.ntt-bp.net/column/blog/2022/05/post-53.html

「00000JAPAN」はキャリアの壁を越えて共通のSSIDで提供される緊急用Wi-Fiの取り組み

「00000JAPAN」は災害時や大規模な通信障害の時に、公衆無線LANサービスを「00000JAPAN」という共通のネットワーク名(SSID)で一般開放する、会社を越えた取り組みです。

例えばd Wi-Fiであれば普段は「0000docomo」「0001docomo」などのSSIDで提供されていて、このWi-Fiを利用するにはdアカウントが必須となります。しかし、この00000JAPANが適用された際には、大規模な災害や通信障害時に「00000JAPAN」というSSIDでWi-Fi提供され、dアカウント登録などの事前準備をしていなくても、この時だけは誰でも利用することができます。d Wi-Fiだけでなく、携帯各社のWi-Fiサービスも同様です。会員専用サービスなどで、普段利用できない人でも、災害や通信障害時に限って利用できるのが00000JAPANというわけです。

また、自治体や商業施設で日ごろから誰でも使えるフリーWi-Fiも併せて知っておきたいですね。Wi-Fiサービスによっては大規模災害や通信障害時の利用登録が不要になるところも多くあります。「フリーWi-Fiの災害モード」と呼ばれることもあります。

00000JAPANやフリーWi-Fiを災害モードで利用できるのは、事前に準備をしている企業や自治体のスポットに限ります。 勘違いされがちですが、今までWi-Fiのなかった場所でWi-Fiが使えるようになる取り組みではありません。あくまで、普段のWi-Fiスポットの利用条件が緩和されるというものになります。

ですから、災害・通信障害が起こったからどこでもフリーWi-Fiが使えるようにはならないことを、知っておいてくださいね。

ここからはよくある疑問をQ&A方式でお届けします。

Q1.00000JAPANや災害モードのフリーWi-Fiって自宅でも使えるの?

使えません。

ご自宅で急にWi-Fiが使えるようになるわけではありませんので、ご注意ください。

Q2.00000JAPANってどこで使えるの?

基本的にはキャリアが普段から提供しているd Wi-FiなどのWi-Fiスポットで使えます。

また、災害や通信障害時に00000JAPANが使えるようになるには、各携帯キャリアによる切替作業が必要です。そのため、必ずしもすべての携帯キャリアスポットで利用できるわけではありません。

ただ、ひとたび「00000JAPAN」の提供が開始されれば、既存のアクセスポイント等のWi-Fi設備をそのまま流用できるので、災害などの後に支援準備して、一から設置したWi-Fiより遥かに早く、簡単に利用可能になります。

普段から公衆Wi-Fiがどこにあるのか、あたりをつけておくとよいでしょう。

Q3.00000JAPANや災害モードのフリーWi-Fiは発災直後から使えるの?

即時ではなく、提供者が設定変更後に使えるのが一般的です。

「00000JAPAN」は災害発生やその他の大規模通信障害などをきっかけとしてすぐに使えるようになるものではありません。被災状況や影響の大きさの確認、携帯キャリアによる設定変更などの時間を要します。半日~1日程度は時間を要することもあります。

一方、機器や回線に問題がなければ、そのスポットのWi-Fiは普段通りに使うことができます。そのため「00000JAPAN」は便利な取り組みではありますが、常日頃から身近なフリーWi-Fiを使えるように、登録などの事前準備をしておくほうがずっと早くインターネットに繋ぎ始めることができます。

防災のためにも、Japan Wi-Fi auto-connectなどのフリーWi-Fiのアプリを普段から利用しておくdWi-Fiやau Wi-Fiなどのサービスを利用登録しておくことのほうが有効と言えるでしょう。

Q4.停電していても使えるの?

基本的には使えませんが、例外的に使える場所もあります。

Wi-Fiが設置してある施設が停電した場合、アクセスポイントへの給電ができなくなるので、基本的には使うことができません。

ただし、このようなことを見越してUPS(無停電電源装置)を備えているスポットもあります。また、市役所など公共施設などの場合、自家発電装置を備えていて停電時でも電気が使えることもあります。そういった場所であれば、Wi-Fiを使える可能性もあるでしょう。

東京都の公衆電話

関連リンク:訪日旅行者が増えてます! やっぱりフリーWi-Fiってあったほうがいい?
https://www.ntt-bp.net/column/blog/2023/09/post-138.html

Q5.光回線が断線したり、回線設備が故障したりしていても使えるの?

回線の種類によりますが、多くの場合は使うことが困難です。

Wi-Fiを使うには、バックホールと呼ばれる「アクセスポイントまでの通信回線」も必要です。 例えばバックホールが光回線だった場合、ケーブルが断線していたり、基地局自体が被災して故障していたら利用はできません。

一方、バックホールがモバイル回線のWi-Fiもあります。この場合、フリーWi-Fiの電波はモバイル回線を使っているので、「使える」「使えない」の状況は携帯電話とほぼ同じとなります。基地局で故障が起これば使えなくなるし、安否確認連絡が集中すれば輻輳し繋がりにくいかもしれません。

能登半島地震では、断線や基地局の破損など、復旧に時間がかかる被害も多く発生しました。そういった状況のなか、通信会社はバックホール回線として衛星ブロードバンド通信を提供、被災地を支援している例もあります。

関連リンク:
令和6年能登半島地震に伴う支援について:データ通信などの支援について | KDDI株式会社

Q6.じゃあどんなときに使えるの?

外出先で被災した場合や、長期避難の場合に力を発揮します。

自宅が被災してインターネットがつながらない場合や、モバイル回線が混雑して利用できないときなど、安全を確保できている近くのお店や施設でWi-Fiが使えると、助かる場面はきっと多いでしょう。

また、復旧状況によっては、インターネットの利用をスマートフォンのモバイル通信に頼らざるを得ない期間が長くなるかもしれません。 こういった場合にフリーWi-Fiを併用できれば、経済的にも助かりますね。

公衆Wi-Fiや複数の通信手段を普段から知っておこう

どんな事態でも確実に使える通信手段はありません。けれど、利用者がさまざまな通信手段、その場所、背景を理解することで、どんな事態でもより便利に使い分けることができるはずです。

光回線とモバイル回線のどちらが先に復旧するかはわかりません。どちらもしばらく使えない可能性だってあります。そんな時はラジオの情報が頼りかもしれません。

災害時に、それぞれのサービスがどのような動きをするか、動かなかったとき、何ができるか。いろいろな方法を知っておけば、選択肢が広がるはずです。普段から公衆Wi-Fiを使い慣れておき、どこにあって、どうやったら使えるのかを意識して見ておきましょう。災害時への備えとしては、00000JAPANの発動を待つよりも、今回ご紹介した情報を覚えておいていただくと戸惑うこともないですよ。

関連リンク:<保存版>災害時に利用できるフリーWi-Fi関連サービス
https://www.ntt-bp.net/column/blog/2022/05/post-53.html

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