NHK学生ロボコン2022

ロボットと人の快適性を保ったまま配線作業を大幅にカット

ミリ波(IEEE 802.11ad/ay)が創る新たな品質水準
全ての人とロボットが快適なフリーWi-Fi環境へ

2022年6月、大田区総合体育館で開催された「NHK学生ロボコン2022」。有観客での開催は実に3年ぶりで、およそ1,500人が来場しました。会場は多くの人と、そしてロボットで賑わいました。

ここでは人どうしの「密」を避けるだけでなく、ロボットのために「電波の密」も避けなくてはいけません。そんな特別な条件のもと、NTTBPは「ミリ波装置」を使うことで、関わる全ての人とロボットが快適に過ごせる来場者向けフリーWi-Fiの設置・活用を行いました。

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お客さまの声

株式会社NHKエンタープライズ クリエイティブ事業センター
広域イベント事業部

吉田 拓史さん

2017年のABUロボコン大会から公式Wi-Fiの提供を開始しています。 ロボコンは会場でのネットコンテンツの需要が非常に高く、大勢の観客による大容量の通信トラフィックが生じます。同時に出場するロボットもリモコン操作のためにWi-Fiを使用します。
NTTBPさんは当初から、ロボット用の帯域と観客用の帯域を分けるという、ロボットファーストのWi-Fi環境を提案してくれました。 今後も、ロボットにも観客にもより最適なWi-Fi環境を提供していきたいと思っています。

株式会社NHKエンタープライズ

ミリ波の実力とは
60GHz帯の電波がWi-Fiのメリットを更に引き出す

ここで「ミリ波」と呼んでご紹介しているのは、60GHz帯を利用する「IEEE 802.11ad」や「IEEE802.11ay」というWi-Fiの通信規格です。
60GHz帯は広大な周波数帯域が確保され、Wi-Fi 5やWi-Fi 6などの普段利用しているWi-Fiや家電などとの干渉の心配もありません。またチャネルボンディングやMIMO機能を備え、高速な通信が実現できます。
ただし、電波の届く距離が比較的短く、ビームフォーミング技術で解消されつつあるものの、障害物に弱いといった弱点もあります。そのため、すべての場所で利用できるわけではありませんが、体育館のような見晴らしのよい屋内施設ではその力を大いに発揮します。

今大会ではIEEE 802.11 adをベースとした独自規格のアンテナを採用しました

ミリ波装置によるバックホールネットワークの構築

ミリ波装置を使えば、従来は有線でしか繋げなかったWi-Fi装置までの道筋さえ、ケーブルレスで構築することができます。会場の隅から隅へ飛ぶ大容量通信で、景観を損なうことなく高品質な通信を提供。本大会では、Wi-Fiアクセスポイント近くのPOEスイッチとコア装置(メインスイッチ)間の通信をミリ波の通信で実現。従来アクセスポイントまで有線ケーブルを敷設していたところを無線で代替しています。

ポイント1
緻密な電波設計で少ない装置で広いエリアをカバー

電波調査に裏打ちされたデリケートなエリア設計を行うことにより、競技フィールド、観客席、準備室を含む広大なエリアを、少ないアクセスポイントでカバーしました。費用の低減につながるとともに、広い会場を広いまま使うことができます。

ポイント2
有線ケーブル敷設時間の大幅短縮

「1日限りのイベントだから設置工事に時間をかけられない」――そんな悩みを解消するのが、NTTBPの一夜城Wi-Fiです。本大会では更に、ミリ波装置を使った構築で100m以上の有線LANが不要に。工事時間を短縮しコストを削減しました。

関連サービス:一夜城Wi-Fi

安全性に配慮しながらの有線LAN工事は時間も手間もかかります

ポイント3
2.4GHz帯や5GHz帯を避けたロボットファーストを実現

アクセスポイント間の配線の削減だけであれば、2.4GHz帯や5GHz帯といった従来の周波数帯でも実現可能な機器もあります。しかし、ロボコンでは競技でもこれらの周波数帯を利用するチームも多くあります。利用頻度の高い周波数帯の干渉を極力減らしクリーンな環境を保つために、ミリ波を採用しています。

大会を盛り上げるWi-Fi関連ソリューション

ミリ波を使った無線環境構築の他にもさまざまな技術とサービスで大会を盛り上げました。

フリーWi-Fiは周波数帯とチャネルを限定したロボットファースト仕様

大会ではロボットをコントロールするために電波を使うことも多く、何もしなければWi-Fiと干渉が起こり得ます。特に近年は、競技者も従来の2.4GHz帯だけでなく5GHz帯も使うことが増え、会場内のWi-Fi構築はデリケートな問題です。
そこで今大会では5GHzの中でも特にW56チャネルのみに限定しての送波を実施。誰もが気兼ねすることなく使うための「電波の住み分け」を実施しました。電波を熟知し当社だからできる繊細な電波環境の調整によって、競技者のアイディアやロボットの制御を妨げない、快適な大会運営をサポートしました。

「行ってみたい」「また来たい」に繋がる会場だけの体験を創造

会場では、Wi-Fi接続者だけが見ることのできるポータルサイトを用意。また「来場者限定パンフレット」を、紙とは別にWEB配信しています。スポンサーサイトへ誘導するバナーの設置や紹介動画再生など、紙を電子化するだけでなくWEBならではの機能も具備しました。

関連サービス:
リダイレクトポータルCMS
ささっとパンフ

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