Wi-Fi 6E移行時に気を付けたい。注意点まとめ

6GHz帯の広⼤な帯域が利⽤でき、⾼速通信が実現できるWi-Fi6E。当社でもWi-Fi 6Eによる無線環境を数多く構築しており、実際の導⼊を重ねる中で、特に既存設備を活かした移⾏時に注意すべき点も⾒えてきました。
今回は、現場で得た知⾒をもとに、Wi-Fi6E移⾏時に⾒落としがちないくつかのポイントをご紹介します。

Wi-Fi 6E 導⼊時の注意点については以下のページでもご紹介していますので、あわせてご覧ください。
Wi-Fi 6E − 6GHz帯が加わった最新通信規格 : NTTBP|NTTブロードバンドプラットフォーム

NTTBP ワイヤレステクノロジー部

こんな人におすすめ

・ ⾃社の通信インフラを担当するエンジニア
・ ITインフラ構築・運⽤を受託している企業で構築を担当しているエンジニア

NW設計編:ボトルネックをつくらない

Wi-Fi 6Eを導⼊する際は、Wi-Fi区間だけでなく、回線や周辺のネットワーク機器にも⽬を向ける必要があります。
既存設備の更改では、できればAP以外はそのままに......と考えることもあるかもしれません。
しかし、上流の機器がボトルネックになっては、せっかくのWi-Fi 6Eの性能を活かしきれず、本末転倒です。
導⼊にあたっては、全体の構成を⾒直し、必要に応じて機器のスペックも含めて更改を検討しましょう。

チェックしたいポイント

回線/ISP

フレッツ光クロス等の⾼速通信が可能な回線
※フレッツ光クロスの場合、IPoE回線(IPv6)でIPv4をAPに付与するためにはIPv4overIPv6⽅式のうち、DS-LiteかMAP-Eに対応する必要あり

LANケーブル

Cat6など2.5Gbps以上の通信速度に対応したケーブル

NW機器類(ルータ、スイッチ)

マルチギガポート(2.5Gbps以上)を搭載
APの給電がPoE+またはPoE++の場合はルータ・スイッチ側も準拠する必要あり

施⼯編:アクセスポイントの重さに注意

Wi-Fi 6E対応APは従来機種よりサイズも⼤きくなっており、重量もアップしています。
上位モデルであるほどその傾向が強く、設計段階で取り付け⾯の強度やマウント器具の確認が不可⽋です。例えば、Aruba のAP-505をAP-655に変更する場合、重量は3倍以上に...。

参考情報:HPE Aruba Networkingアクセスポイント

規格が新しいほど機能制限が少ない

古い機種と同じ位置に取り付けようとしたところ、今までは問題なかったのに、新しいAPでは強度が⾜りずに急遽追加部材が必要になる、別の位置への設置を余儀なくされるといったことになって慌てないよう、しっかり確認しましょう。

AP設定編:オープンなWi-Fiの場合はEnhanced Openに要対応

Wi-Fi 6Eでは、6GHz帯の利⽤にあたりセキュリティ要件が強化されています。
フリーWi-FiなどオープンなWi-Fiの提供には「Enhanced Open(OWE)」への対応が必須のためあわせて検討しておく必要があります。

まとめ

今回は「⾒落としがち」なものをいくつかピックアップしましたが、注意点はご紹介したものだけに限りません。
現時点では屋外利⽤はできない、接続する端末側が6GHz帯の接続やEnhanced Openに対応していない場合があるため、2.5GHzや5GHz帯の既存Wi-Fiも同時に送る必要がある、など、ほかにもさまざまな留意事項があります。
また、無線環境構築はアーキテクチャ全体を⾒ないと、思った成果が得られないことも多々あります。
特に更改の場合は、これは今までのものがあるから...と油断してしまうこともあるかもしれません。しっかり準備して、Wi-Fi6Eの導⼊に臨んでくださいね。

関連情報:Wi-Fi 6E − 6GHz帯が加わった最新通信規格 : NTTBP|NTTブロードバンドプラットフォーム

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