ブレーキランプが5回点滅するとアイシテルのサインとなりますが、Wi-Fiが5回途切れるとどうなるでしょう？ 正解は「かなり腹立つ」です。
古来より、J-POPアーティストたちは歌詞の中にさまざまな例えを用いて、愛を歌ってきました。近代になってWi-Fiが登場し、我々の生活に深く馴染み、根差しました。そんなWi-Fiが、昨今のJ-POPの歌詞に入っていないわけがありません。例のブレーキランプみたいに、時にロマンティックに、時にせつなく、愛をたとえているに決まっているのです。というわけで今回は、歌詞に「Wi-Fi」を用いた楽曲、通称「Wi-Fiソング」を調査してみることにしました。
そもそも歌詞に「Wi-Fi」を含む楽曲ってどれくらいあるの？
今回歌詞を調べるにあたって、歌詞検索サイトUta-Net様（https://www.uta-net.com/）を利用させていただきました。「Wi-Fi」を歌詞に含む曲を検索してみると......
（2022年10月現在）
結構ありますね！ 「ワイファイ」「wifi」「無線LAN」も含めれば総数は130曲。「Wi-Fi」という名称が使われはじめたのが1999年の夏ですから、平均して年間5、6本の「Wi-Fiソング」が生まれていることになります。これってかなり多いですよね。一体、どのような文脈で使われているのでしょうか。
※歌詞の著作権はそれぞれの著作権者様、及びJASRACにあります。
※歌詞全文をご覧になりたい場合は、楽曲のタイトルのリンクから、掲載元ページをご覧ください。
まず目に入った「Wi-Fi」を歌詞に含む曲は、どれも〇〇〇〇な曲だった！？
「Wi-Fi」の検索結果を眺めながら、まずはどんなが歌詞があるのか目を通してみたのですが......私、すぐ「あること」に気付いてしまいました。
残念ながら大人の事情で歌詞は載せられないのですが......再生位置を調整してありますのでまずはお聞きください。
曲名：イリタブル（歌/詞：May'n）
曲名：寝ぼけた街に（歌/詞：斉藤和義）
曲名：SOMEWHERE（歌：MANON／詞：YUPPA）
......そもそもWi-Fiが満足に使えてないパターン、多すぎませんか！ どこのWi-Fiに何の端末で試みているのかは明言されてないものの、ちょっとWi-Fiにはもっと頑張って欲しいところです。「繋がらないWi-Fi」が表現する「伝わらない思い」や「もどかしい心象」、よくわかります。けれど、私がWi-Fiに携わっている人間だからかもしれませんが、やっぱり電波弱そうなのが気になって歌に集中できなかったのも事実。J-POP風に言うと「電波測定したくて、したくて震える」です。Wi-Fiには、たとえ歌詞の中だろうと繋がっていて欲しかった......。
悔しかったので、この後検索条件を変えて探したら「逆にめちゃくちゃ電波よくWi-Fi繋がってる曲」も見つかりましたのでご紹介させてください。
安心・無敵！ 電波良好な「Wi-Fi」歌詞の楽曲
曲名：晴レ☆HALation（歌：アップアップガールズ（仮）／詞：HAL東京 ミュージック学科）
良かった！ 電波強いみたいです。グループ名も相まって明るく景気のいい感じがします。
曲名：スチャやんとネバヤン（歌：スチャとネバヤン／詞：M.KOSHIMA・Y.MATSUMOTO・S.MATSUMOTO・安部勇磨）
おそらく速度、繋がりやすさなどにご満足いただけているようで、何だか嬉しくなってしまいますね。ちゃんと繋がっているWi-Fiソングも見つけられて安心したところで、次は私が独断で選んだ感情を揺さぶるWi-Fiソングをご紹介します。
ライター独断！ 感情を揺さぶる「Wi-Fi」の歌詞を使った楽曲ピックアップ
曲名：tears（歌：SEKAI NO OWARI／詞：Fukase）
「ブレーキランプの歌詞」のようなロマンティックさを感じとってピックアップさせていただきました。返事を求めているけれど、返事がない。その理由を、取るに足らないものだと信じたい、と揺れる気持ち。「Wi-Fi本当は繋がってるんじゃ......？」という不安。端的な表現ながら、想像が膨らみますね。モバイル通信の契約がないとは考えにくいかと思いますが、相手は海外でしょうか。気になります。次に行ってみましょう。
曲名：選ばれざる国民（歌：東京事変／詞：椎名林檎）
冒頭からいきなりWi-Fiが登場しますが、なんとも責任重大な言われようです。思わず「生殺与奪の権をWi-Fiに握らせるな！」と叫びそうになりました。漢字やカタカナをレトロチックに用いながらも、Wi-Fiやオンラインといった単語が紛れ込む心地よい違和感は東京事変ならではですね。他にも「圏外」といった電波関連の用語など、現代社会を想起させる詞が散りばめられています。次に行ってみましょう。
曲名：帝都モダン（歌：相対性理論／作詞：ティカ・α）
最初は意味がわかりませんでしたが、何度か聞いていて気が付きました。Wi-Fiを探して見つけたのはきっと漫画喫茶の有名チェーン店ですね。そこが灰に埋もれてということで、どうも東京近辺が滅びたような描写です。荒廃した世界で、Wi-Fiを見つけて、一体だれと連絡を取ろうというのでしょう。人と人を繋ぐ最後の手段のようなWi-Fiの使われ方に、強烈なエモを感じます。
「歌詞の一部」を超越！「Wi-Fi」をがっつりメインに据えている楽曲
実は私は、Wi-Fiを甘く見ていたようで、大いに反省しているところなのです。Wi-Fiが「歌詞の一部」にあるにとどまらず、Wi-Fiがもはやメインテーマとして扱われている楽曲が多数あったのでした。ここで「Wi-Fi」が主役（と言っていいでしょう）になっている楽曲たちをご紹介します。
曲名：無線LANばり便利（歌：ヤバイTシャツ屋さん／詞：こやまたくや）
あまりにもメッセージ性の強い歌詞に頭がクラクラします。我々無線LAN事業者にとって都合の良すぎる歌詞に思わず拍手してしまいました。県境も国境も越えて、世界のどこにいても相手と繋がれるというポジティブな思いを歌っていただいています。Wi-Fiをありがたがってくれる人のために、これからも頑張らなくちゃと思いを新たにしたくなる、元気になれる楽曲でした。
2023/6/7追記：
なんと！この楽曲がもとで、ヤバイTシャツ屋さんが「無線LANビジネス推進連絡会」の10周年を記念して無線LANのアンバサダーに就任されたそうです！おめでとうございます！
「無線LANビジネス推進連絡会」10周年記念バージョンのMVも公開されているようです。
＜NEWS＞
— ヤバイTシャツ屋さん（バンド）新アルバム出たから絶対聴いて！ (@yabaT_official) June 7, 2023
Wi-Biz設立10周年記念特別アンバサダー就任のお知らせhttps://t.co/EoUjWmkVj4
無線LANの曲を作って歌っていたら、無線LANのアンバサダーになりました！！！無線LANのアンバサダーって何！？！？！？何をしたらいいの！？！？よろしくお願いします！！！！ pic.twitter.com/U2gE1u2bTC
曲名：Wi-Fi fine（歌：すずき／作詞：SUZU PROJECT）
ファーストシングルに、Wi-Fiソングを選んだ方がいます。タイトルだけでなく、歌詞もほぼWi-Fi一色。いいんですか、デビュー曲ですよ？ アーティスト人生でたった一度きりですよ！？ ご両親は元アイドルの井上望さんとエド山口さんとのこと。「すずき」という芸名は苗字ではなく下の名前なのだとか。今後Wi-Fiソングがリリースされることはあるのでしょうか？ これからの活躍に期待です。
曲名：ワイファイマン（歌／詞：うめむらこうじ）
こちらの歌詞は自身をワイファイマンだと歌っています。つまりWi-Fi自身が歌っているパターンですね！ これはレアです。光の速さで飛ぶというのは光回線のことでしょうか。1000Mbpsしっかり出してくれる頼もしいヒーローなのかもしれませんね。
曲名：マイクロコスモス（歌：Wi-Fi-5／詞：大畑拓也）
実は曲どころかグループ名にWi-Fiを含むアイドルも存在していました！「すべての人を分けへだてなく繋ぐWi-Fiのように」と願いを込めてつけられたグループ名ということで、2017年から2019年まで活動していました。当社でもライブ会場にフリーWi-Fiを提供するなど応援していたのですが、残念ながら現在は活動休止中です。復活を期待しましょう！
「Wi-Fi」を歌詞に含む最古のJ-POPとは？
Wi-Fiが普及し始めたのは2000年代の初頭です。もしかしたら当時は「Wi-Fi」という歌詞を使っても、ピンとくる聞き手は少なかったかもしれません。では、一番最初にJ-POPの歌詞に「Wi-Fi」を取り入れた人は、一体誰だったのでしょうか。今回私たちが歌詞検索サイトで調べた、メジャーシーンのJ-POPの中では「2010年6月23日発売」の、以下の楽曲が最古だと考えられます。
曲名：STORY（歌／詞：MEG）
ということで、最古のWi-Fiソングは暫定でMEGさんのSTORYということになりました。中田ヤスタカさんの手がけた音楽で、12年も経ったとは思えない新しさを感じますね。
各楽曲に見るWi-Fiの捉え方
調べてみると、想像よりさまざまな曲にWi-Fiという単語が使われていたことに驚きました。
詞を書いた人の真意はわかりませんが、人と人を繋ぐとか、誰かに思いを届ける手段とか、そういった伝達の道具として、比喩として描かれていた曲が多かったように思います。時代とともに、通信手段も変わり、手紙はメールに、写真は動画に、移り変わっていきます。このWi-Fiという歌詞も、もしかしたら古くなることがあるのかもしれません。けれど、ブレーキランプ5回点滅の歌詞が色褪せず人々の心を掴むように「Wi-Fi」という言葉でしか表せない心情や共感に思いを馳せるのも、今を生きる私たちに許された楽しみなのかもしれませんね。
今回ご紹介した音楽は、どれも「Apple Music」で聴くことが出来ますよ。ぜひ探してみてくださいね。
リンク先の動画はWi-Fiの歌詞を差し置いても魅力的なものばかりです。見過ぎてしまっても大丈夫なように、Wi-Fiへの接続はお忘れなく！
