PoE

アクセスポイントにもLANケーブルで給電し配線を簡素化

PoEとは?

PoE(ピーオーイー / Power over Ethernet)とは、LANケーブル1本でデータ通信と電⼒供給の両⽅を⾏う技術です。電源ケーブルを引く必要がなく、省配線・柔軟なレイアウトを実現するネットワーク構築に⽋かせない技術です。
天井や屋外など電源の確保が難しい場所での機器設置にも適しています。無線LANアクセスポイントはもちろん、ネットワークカメラなどさまざまな機器に採⽤されています。

PoE規格の概要

PoEにはIEEE802.3af(PoE)をはじめ、IEEE802.3at(PoE+)、IEEE802.3bt(PoE++)といった規格があります。
確保できる電⼒量は新しい規格ほど多くなりますが、その分スイッチングハブなど対応機器の価格も⾼くなります。
また、それぞれの規格には電⼒量によって「0〜8」までの「クラス」と呼ばれるランク分けがされています。

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Wi-Fiアクセスポイントでの利⽤イメージ

PoEスイッチングハブやPoEインジェクターにつないで利⽤します

法⼈向け無線LANアクセスポイントをPoEで運⽤する際は、PoE対応のスイッチングハブと接続して使⽤するのが⼀般的です。
ただし、数台規模の拠点であれば、既存のスイッチングハブとPoEインジェクターを併⽤する⽅法も有効です。

PoE機器とアクセスポイントの概念図

Wi-Fi構築での採⽤時に気を付けたいこと

PoE規格の不⼀致による機能制限に注意
アクセスポイントがPoEに対応していても、接続するPoEスイッチングハブやPoEインジェクターの対応規格が古い規格の場合、アクセスポイント本来の機能を⼗分に活⽤できないことがあります。
たとえば、Wi-Fi 6E対応の⾼機能モデルでは、af規格では利⽤ができなかったり、at規格では利⽤はできるものの、⼀部機能が制限されるといったケースがあります。
PoE規格には下位互換性があるため、上位規格に対応したものであれば問題ありません。
また、PoEの規格は電⼒量によって「0〜8」までの「クラス」と呼ばれるランク分けがされていますが、このクラスの違いによって電⼒量がかわります。あわせて確認しましょう。
接続する機器全体の合計電⼒量にも注意
PoEスイッチには、給電可能な電⼒量に上限があるため、すべてのポートにフル出⼒の機器を接続できるとは限りません。
アクセスポイントなど、接続する機器それぞれの消費電⼒を合計し、スイッチの最⼤給電能⼒を超えないように設計することが重要です。
LANケーブルは100mまで、Cat5e以上のものを
LANケーブルが⻑くなると、電⼒の損失が発⽣し、アクセスポイントへの給電が不安定になる可能性があります。⼀般的に、PoEで安定した給電を⾏うにはケーブル⻑を100m以内に収めることが推奨されています。
また、⼗分な電⼒供給と通信性能を確保するためにCat5e以上の規格のものを使⽤してください。
導⼊は⼯事費⽤と機能のバランスを⾒て、環境にあったものを
PoE対応のスイッチングハブと⾮対応のスイッチングハブでは機器の価格にも差があります。当然ながら近くに電源が確保できる環境の場合は必ずしも採⽤する必要はありません。また、⾼出⼒の電⼒が必要になる場合は、機器やケーブルの発熱が増えるなど、⾼機能であればよい、とも⼀概には⾔えません。環境にあった給電⽅法を選択しましょう。

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